他人のPCで「無断採掘」無罪 仮想通貨のプログラム設置男性 横浜地裁判決

他人のPCで「無断採掘」無罪 仮想通貨のプログラム設置男性 横浜地裁判決

 

仮想通貨と言えば、真っ先に「投資」を連想する人が多いでしょう。一時期は空前のブームとなった仮想通貨でしたが、不正アクセスやハッキングなどの影響で、最近は話題にも上らなくなってしまいました。

 

そんな仮想通貨を獲得するための「マイニング(採掘)」のプログラムをウェブサイトに設置したとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われた、31歳のウェブデザイナーの男性に対して、横浜地裁が無罪を言い渡す出来事がありました。

 

【参考】他人のPCで「無断採掘」無罪 仮想通貨のプログラム設置男性 横浜地裁判決

https://mainichi.jp/articles/20190327/k00/00m/040/076000c

 

 この仮想通貨のマイニングを行うためのプログラムとして使われたのが「Coinhive(コインハイブ)」と呼ばれるものです。

 

今回の裁判では、Coinhiveが所謂「コンピューターウィルス」であるかどうかが争点でした。結果的には無罪と判決が下されたことで、Coinhiveはコンピューターウィルスではないと判断されたことになります。

 

さらに判決ではCoinhiveを設定することでウェブサイトの運営者が仮想通貨による利益を得ることで、ウェブサイトの品質が向上すれば、該当するウェブサイトの訪問者にとっても利益になるとの指摘もあったようです。

 

また、訪問者の意図しないプログラムを動作させたという点ですが、その影響力はウェブサイトの閲覧している間だけ動作することや、消費電力も通常の広告プログラムと同程度ということで、訪問者に対して悪影響はないと判断されました。

 

 

Coinhiveとアフィリエイト広告

 

今回の判決で気になったのは「ウェブサイト上でマイニングのプログラムを動作させることが、訪問者の利益につながる」という指摘があった点です。どこかで聞いたことがあるような話だと思っていたら、これはアフィリエイト広告の仕組みに通じるものがあります。

 

アフィリエイト広告の場合、テキストリンクや画像リンクなどをウェブサイトの訪問者に対して分かるように設置することがルールとなっています。つまり同意の上で訪問者は商品を購入し、ウェブサイトの運営者に利益が入る仕組みです。

 

しかし今回のように訪問者には知らせることなく、バックグラウンドでマイニングのプログラムを動作させて利益を得るというのは、実害や利益の有る無しに関わらず、なんだか気分が悪くなる人もいそうな話です。

 

今回は無罪ということでしたが、この判決からウェブサイト上にマイニングのプログラムをアフィリエイト広告と同じ感覚で設置する運営者が増えるのではないかと、少し不安になります。

 

Coinhiveは2019年5月でサービス終了

 

ただ、今回使われたCoinhiveは2019年3月8日から順次サービスを終了すると発表されています。

 

【参考】ブラウザ上で仮想通貨を発掘する「Coinhive」がサービス終了へ

http://www.security-next.com/102920

 

Coinhiveは「Monero」という仮想通貨のマイニングを行うプログラムですが、Moneroの相場が大幅に下落したなどの影響がサービス終了の理由です。しかし世界には数千種類もの仮想通貨が存在するとも言われているので、今後もブラウザ上で動作するマイニングプログラムが開発される可能性は十分あるでしょう。

 

警視庁もこのような状況を鑑みて、仮想通貨のマイニングツールに関する警告を発表しています。

 

【参考】仮想通貨を採掘するツール(マイニングツール)に関する注意喚起

https://www.npa.go.jp/cyber/policy/180614_2.html

 

この注意喚起ではマイニングツールの設置を明示しないウェブサイトの運営は犯罪につながる可能性があると警告しています。今回の裁判では無罪判決が言い渡されましたが、今後ウェブサイトにマイニングツールを設置する場合は、そのことを明示する運営者が増えていくのだろうと推察します。

 

(Photo by Karim MANJRA on Unsplash

 

 

 


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