- 2019年6月25日
- セキュリティについて
何回閉じても無駄ですよ~」ブラクラURLを掲示板に貼っただけで補導、「やり過ぎ」と物議
2019年3月の始めに、13歳の女子中学生がブラクラ(ブラウザクラッシャー)のURLを掲示板に書き込んだことで、兵庫県警に補導されるという出来事がありました。
【参考】「何回閉じても無駄ですよ~」ブラクラURLを掲示板に貼っただけで補導、「やり過ぎ」と物議
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/05/news080.html
ブラクラとはインターネットを閲覧する時に使われるソフトウェアであるブラウザをフリーズさせたり、正常に終了させたりできなくする、ただの「いたずら」です。
いろいろなタイプがあるのですが、あくまでもターゲットになるのはブラウザだけであり、パソコンやスマートフォンにマルウェアを感染させようとする、悪質な行為とは明らかに異なります。
今回のブラクラは、複数の文字列で構成されたアスキーアートと、「何回閉じても無駄ですよ~ww」というメッセージが表示されたダイアログが表示されるもので、「OK」ボタンや「閉じる」ボタンをクリックしても、消すことができないものでした。要するに正常に終了できないタイプですね。
しかしブラウザのタブを終了させることで、このタイプのブラクラは消すことができます。はっきり言って、このようなブラクラは実害がありません。兵庫県警がどのような判断で、この女子中学生を補導するに至ったのかは、さだかではありませんが、ブラクラによる実害がどの程度なのかを判断するだけの、インターネットに関する知識がなかったのは明らかでしょう。
ブラクラにアクセスしてしまったら、冷静に対処しよう
今回の事件は、ただのいたずらであるブラクラを貼り付けただけで、13歳の女子中学生が補導されてしまったことで、話題となりました。法的な判断については詳しい解説することは避けますが、実際にブラクラに遭遇してしまったら、どうすれば良いのか対応策について紹介します。
ブラクラはWebページのソースコードに記述されたJavaScriptのコードによって引き起こされるタイプのものがほとんどです。ブラウザの設定でJavaScriptを無効化させることは可能ですが、無効にすると正常のWebサイトの閲覧に影響が発生してしまうので、この方法は避けたいところです。
それではどうしたら良いのでしょうか。先ほども申し上げたように、ブラクラはWebページに記述されたJavaScriptが原因であるので、まずは該当するWebページを何とかして閉じる方法を考えましょう。
まずはブラウザの「前へ戻る」ボタンをクリックして、ブラクラの1つ前のページに移動する方法があります。これは最も基本的な方法ですが、ブラクラによっては1つ前のページに戻ることを阻害するタイプのものもあります。「前へ戻る」ボタンをクリックしても、すぐに今見ているページに戻されるようなタイプのブラクラです。
前のページに戻れない場合、ブラウザのウィンドウやアプリを終了させる方法を考えます。パソコンの場合、「×」ボタンをクリックすれば、ブラウザを終了させることができます。スマートフォンの場合もマルチタスクメニューから個別にアプリを終了させることが可能です。
その方法でもブラクラを終了できない場合は、最後の手段としてパソコンやスマートフォンそのものを再起動させることでブラクラごと終了させることが可能です。実際にはそこまでして終了させる事にはならないと思いますが、これは最後の手段として有効です。
危険なサイトへ誘導させるブラクラもある
インターネットに詳しい人の中には「所詮、ただのブラクラ」と高をくくって、ブラクラを面白がったり、わざと被害にあったりしようとする人もいるかもしれませんが、そのような行為は避けた方が良いでしょう。
Webページにアクセスするだけでスパイウェアやマルウェアに感染させるドライブバイダウンロードと呼ばれる攻撃があります。ブラクラとドライブバイダウンロードを組み合わせて、パソコンやスマホにマルウェアを感染させることは技術的には可能です。侮っていると思わぬ被害に遭うかもしれません。
「君子危うきに近寄らず」
ブラクラに遭遇したら、そっと閉じて、2度とそのページを開かないように対策を取ることが大人の対応です。
(Photo by Daniel Falcão on Unsplash)