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2026年度末頃に始動予定!「SCS評価制度」の展望と企業が備えるべき実務のポイント

2026年5月11日

近年、取引先を経由して本丸の企業を狙う「サプライチェーン攻撃」が深刻な経営リスクとなっています。
こうした脅威に対し、経済産業省(METI)は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針(2026年3月27日公表)」を策定しました。

通称「SCS評価制度」と呼ばれるこの枠組みは、2026年度末頃の運用開始(申請受付開始)を目指して準備が進められています。
本記事では、この制度が企業の取引にどのような影響を与えるのか、そして今からどのような準備が必要なのかを、実務的な視点で解説します。

1. SCS評価制度が取引にもたらす変化

SCS評価制度は、企業のセキュリティ対策状況を「星(★)」の数で可視化する仕組みです。

• ★3 (Basic): 全てのサプライチェーン企業が最低限実装すべき基礎的な対策。
• ★4 (Standard): 重要インフラや大手製造業のサプライヤーなど、より高度な信頼性が求められる組織が目指すべき対策。

重要な点は、この制度による対策状況の提示が、「今後の取引条件として参照される可能性が高まっている」ことです。発注元企業にとって、取引先のセキュリティ不備は自社の事業停止に直結しかねません。

そのため、信頼できるパートナーを選定する際の客観的な判断材料として、★の取得状況が活用されることが想定されています。

2. ★3・★4の評価方法と「取得」までの流れ

本制度は、従来の自己宣言制度よりも客観性を重視しているのが特徴です。
それぞれの「取得」までのプロセスを確認しましょう。

★3:専門家確認付き自己評価

自社の評価結果に対し、資格(情報処理安全確保支援士など)を持ち、かつ制度指定の研修を受講した「セキュリティ専門家」が内容を確認し、署名を行います。
※要件を満たせば、社内の有資格者を専門家として指定することも可能です。

この★3は、単なる「自己宣言」で完結するものではありません。専門家の確認を経て、事務局へ申請・登録されることで初めて、公式に「★3を取得」した状態となります

★4:第三者評価

★4はさらに厳格なプロセスとなります。認定された外部の評価機関が、実地審査や技術検証(脆弱性検査など)を通じて評価を行い、その結果に基づいて事務局への登録・取得が行われます。


3. 準備には「場合によって数ヶ月」の期間が必要

制度開始に合わせてスムーズに★を取得するためには、余裕を持った準備が推奨されます。

1. 現状把握(ギャップ分析): 約150項目に及ぶ評価基準と自社の現状を照らし合わせる作業に、場合によっては数ヶ月を要します。
2. 運用の定着と証跡の蓄積: 評価では「ルールがある」だけでなく「実際に運用されている証拠(ログや点検記録)」が必要です。この運用実績を積み上げる期間として、一般的に4〜6ヶ月程度の継続的な取り組みが目安となります。

※上記期間はあくまで一般的な目安であり、企業の規模や現状の対策レベルによって変動します。

4. 改善に向けた具体的な取り組み例

評価基準を満たすためには、形骸化しない運用が求められます。
以下は一企業の実態に基づく改善例です。
(※記載の改善策はあくまで一例であり、必ずしも評価基準で一律に定められているわけではありません。)

• 委託先管理: 契約時の確認のみならず、重要な委託先に対しては年1回程度の定期的な点検を実施し、その記録を管理する体制へ。
• ログ管理: ログを「取得しているだけ」の状態から、定期的に確認し「点検記録(レポート)」として残す運用へ。
• インシデント対応: 緊急連絡網を整備し、年1回程度の訓練を実施して結果を報告書として残す。

こうした「実態を伴う運用」を積み重ねることで、★4などの高度な認定に向けたレディネス(準備状態)が整います。

5. まとめ:信頼を証明するための第一歩

SCS評価制度への対応は、取引先に対する「信頼の証明」という重要な側面を持ちます。
特に高いレベルの認定を目指す場合、『客観的な証拠(エビデンス)の整理』と『現場での運用定着』が成功の鍵となります。

「自社がどのレベルを目指すべきか」「現在の体制で不足しているものは何か」など、制度開始に向けた準備に不安を感じている企業様も多いかと思います。
当社では、現状の可視化~評価に耐えうる運用体制の構築までを包括的にサポートする相談窓口を設けております。
※支援サービスには、セキュリティ製品(EDRやログ管理ツール等)の購入費用や導入コストは含まれておりません。

2026年度末頃の運用開始に向けて、まずは無料相談から現状の整理を始めてみませんか?
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制度のより詳細な要件や最新情報については、経済産業省の公式ページもあわせてご確認ください。
外部サイト(経済産業省): サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)の詳細について